大手のFSC(フルサービスキャリア)に対抗せんと設立されたスターフライヤー(SFJ/7G)、一時は経営の悪化した時期もありましたが現在は飛ぶ鳥も落とす勢いを感じるエアラインの一つ。単一機材で統一してコストを下げる手法はアメリカのSouthWestから始まり、LCCに至ってはほぼこの手法を使っています。スターフライヤーも機材をA320に統一してコストを下げています。
スターフライヤーの異なるところはその下げたコストで1機あたりの乗客数を少なくすることで広々としたスペースを作るといった、最近の大手も含めた詰め込み型の座席を脱却して満足感のある空間を作る新しい試みを持って設立されています。
2018年10月からは台北路線も開設するという初の国際線路線も楽しみの一つでもあります。

 

羽田空港と関西空港を結ぶ路線。大阪市内へはどうしても伊丹空港のほうが便利なためなかなか関西空港までは行かないのが実情。今回はどうしてもスターフライヤーに乗りたいがために関西空港発のスターフライヤーを選択します。

スターフライヤーのチケットはANAのWEBサイトからも購入することが出来ますが、スターフライヤー公式での購入よりは若干高めに設定されています。
チェックインカウンターを覗いてみたところなんと鎮座しているのはモデルプレーン。

 

よくよく見るとスターフライヤー便のチェックインはANAが受託しているようです。自動チェックイン機をさりげなく誘導しているのも良い所。

 

国際線がメインである関西空港。なにか取ってつけたような作りを感じる保安検査場。

 

今回はANAのWEBサイト経由で購入した航空券のため、ANAの恩恵を受けることが出来ます。
ANA LOUNGEに直接入ることが出来る優先搭乗口(保安検査)を使用して行列を抜けます。

 

制限エリアに抜けるとまず見える海。空港と海を見るのは気持ちが綺麗になりそう。

 

世界でも有名な空港建築物でもある関西空港ターミナル。たしかに色気のある曲線が綺麗だなと思わせるものです。

 

搭乗口の傍にあったANA FESTA。冷蔵庫にはビールが冷えていましたが、LCCであるジェットスターとバニラエアでは持ち込んだアルコールは飲むことが出来ない旨を記載する細やかな気配りが感じられます。
せっかく買ったビールが飲めずにぬるくなってしまうのは勿体無い。

 

オリオンビールとおつまみセットがあるのも嬉しいところ。おつまみを比較したことはありませんが、機内で買うビールと値段が変わらないのも良心的です。

 

ANAとスターフライヤーの共同運航便である7G35。なんとなくANAの色が強いように見えます。
ちょうどオーバーブッキングだったためか後続便への振替協力者を募っていました。協力すると1万円か7500マイルをもらうことが出来ます。2時間後の便であまり時間を潰すことが出来ない制限エリアでは結構厳しいところ。刻は金なり。で今回は予定通りの便を選ぶことに。

 

さて、この漆黒の機体へ乗り込むこととしましょう。

 

掲示板を使ったちょっとした遊び心が楽しい。

 

関西空港のためか、スターフライヤーのためかあまり早く並ぶ人がいないため、早めのタイミングで搭乗することが出来ました。この黒いシートを撮りたかったのです。
幸いのところ、優先搭乗した乗客も頭を下げていないように見えているのも好都合。

 

後ろから前を見た機内はピーチ・アビエーションの座席と比べると明らかに広く感じられる座席。オフホワイトの内装と漆黒の皮の座席の対比がシンプルながら上質さを感じます。

 

本革の座席も蒸れずに座っていられるのは良い証拠です。

 

最近の大手のエアラインでは国内線の機材には座席ごとにモニターをつけることはなくなってしまいましたが、あると嬉しいものです。
USBの重点や上着をかけるフックなど小さくも嬉しい装備が。

 

これに乗りたかったんです。どれだけ日程を調整したことか。

 

これだけ足元が広ければ長身の人でもなかなか足がつかえることは少ない広さ。

 

ほとんどのエアラインでは一枚の安全のしおりとしているところですが、スターフライヤーではホテルやなにかのインビテーションかと思うほどのわくわくさせるような冊子状になっています。

 

折りたたんであり、緊急時の説明も細かくもわかりやすく記載されているのが好印象。

 

食指を動かされたフライトタグと扇子。扇子も年ごとにデザインが変わるもの。毎年コレクションしている人もいるようです。

 

機体はプッシュバックされ、緊急人の説明がモニターで流れます。この映像も凝っておりアイアンマンのようなCGで説明されるというまた新しい手法です。

 

ヘッドフォンの穴は肘掛の先に付いているのが見つけにくいところですが、肘掛の内側にあるより引っ掛けにくいメリットがあります。

 

さて、飛行機は滑走路へ入り離陸へと。

 

離陸後の旋回中に見えたクレーン。もしかして台風24号の被害を関西空港の橋脚を撤去した深田サルベージの武蔵でしょうか。

 

関西空港島を見ながら羽田の方向へと機を持って行きます。

 

離陸の工程が終わり、機内サービスが始まります。タリーズのコーヒーと美味しいという評判のタブレットチョコが嬉しい。

 

間も無く着陸。羽田への到着はほぼ夜になることがほとんどであるため、晴れた昼間に東京湾を眺めることは珍しく束の間の遊覧飛行を楽しみます。

 

青々とした夏の草もちょっと懐かしく思える場所へタッチダウンです。

 

ターンアラウンドが早いこともあり、エンジンのシャットダウン後すぐに荷物の下ろし作業が始まります。降りるのにのろのろしていたわけではありません、地上係員の手際が良すぎるんです。

 

車椅子や松葉杖だとなかなか大変ですが、外から飛行機を見ることが出来るいわゆる沖止めはやっぱりワクワクするもの。

 

雨の日などは階段からそのまま乗れそうなほど近くにバスを止めますが晴れている際には少し離れて止めてくれるのは嬉しいところです。

 

漆黒の機体を眺められるのは乗りたかったスターフライヤーに乗れて、さらにご褒美をもらった気分です。
ありがとう!スターフライヤー。